ECサイトのレコメンド改善事例
AI活用とロジック最適化でCVR向上を実現

ECサイトのレコメンドは、とりあえず『この商品を買った人はこれも買っています』を表示しておけばいい……そんなふうに、初期設定のまま放置されていませんか?
多くのECサイトが商品詳細ページやカートページにレコメンドエンジンによるオススメの枠を設置していますが、チューニングされていないロジックによるレコメンド商品を、定型的に表示しているだけでは効果が頭打ちになりがちです。ECサイトにおける商品レコメンドの本質は、ただ機械的に商品を「表示」することではなく、ユーザーと商品の間に「予期せぬ最高の出会い」や「タイミングにマッチした最適な提案」を設計することにあります。
本記事では、商材やユーザーの購買フェーズに合わせたロジックの使い分けから、AI(LLM)を活用した最新のレコメンドまで、F2転換率や回遊率を劇的に高めた3つの成功事例をお伝えします。
「レコメンドロジック」は商材特性に合わせて選択する
全てのユーザーや商材に対して、全く同じアルゴリズムを適用するのは間違いです。例えば、「日用品などの買い回り品」と、じっくり検討する「高級商材」とでは、ユーザーの心理も、そのタイミングで求められる提案(レコメンド)も大きく異なります。まずは「レコメンド=類似商品」という思い込みを捨て、裏側のロジックを商材特性に合わせて最適化することが重要です。
事例①:高級商材における「比較検討」の徹底サポート
1つ目は、購入までの検討期間が長い高級商材での改善ケースです。
業種:高級商材ECサイト(時計)
課題: 検討期間が長い商材において、サイト離脱(他サイトへの浮気)を防ぎたい
時計などの高級商材は、一度の訪問で購入されることはまれです。ユーザーが商品詳細ページで迷った際、そのままサイトから離脱してしまうことが課題でした。
対策:比較検討(回遊)を完結させる導線の強化
そこで、以下の対策を実施しました。
商品詳細ページに「同じモデルの新着」と「このアイテムを見た人が他に見た商品」という、役割の異なる2つのレコメンド枠を設置しました。あえて別のモデルも表示されるレコメンド枠を設けることで、選択肢を広げ、自社サイト内での比較検討を促しました。
成果:ページ間の回遊率が1.6%から7.8%(約5倍)へ激増 ※1
ユーザーが他サイトへ移ることなく、自社サイト内で納得いくまで商品を比較検討できる環境が整い、圧倒的な回遊率を生み出しました。※1 2024年、レコメンド導入前・閲覧履歴のみと、2025年、レコメンド2枠追加後の比較
(商品ページから別の商品詳細ページへの遷移回数 / 商品詳細ページ全体の表示回数)
【ここがポイント】
高級商材においては、無理に即時購入を促すよりも「サイト内での比較検討をいかに快適にするか」が重要です。ユーザーの商品選びの迷いを受け止め、次の選択肢をスムーズに支援するレコメンド設計が離脱防止に直結しました。

事例②:LLM(大規模言語モデル)が実現する「感性」のレコメンド
2つ目は、最新のAIを活用して、これまで難しかった「ニュアンス」での商品提案を実現した事例です。
業種:アパレルECサイト(シューズ)
課題: 「ニュアンス」や「雰囲気」が重要な商材でのミスマッチ
アパレル商材では、「スペック(色やサイズ)」だけでなく「柔らかい」「落ち着いた」といった抽象的/感性的なニュアンスが重視されますが、従来の行動履歴×テキストベースによるレコメンドでは、この特徴を捉えきれていませんでした。
対策: 最新のLLM(大規模言語モデル)の導入
従来の行動履歴ベースや商品名・商品説明文のテキストによるキーワード一致ではなく、LLMを活用することで、ユーザーの求める「抽象的な言葉や雰囲気」をAIが深く理解し、文脈に沿った商品をレコメンドできるようにしました。
成果: 昨年同月比でCTR 210%、CVR 211%という圧倒的な成果
ユーザーの「なんとなくこんな雰囲気が欲しい」という直感的なニーズに的確に応えることで、クリック率・コンバージョン率ともに2倍以上の劇的な伸びを記録しました。
【ここがポイント】
商品データやキーワードの枠を超え、ユーザーの「感性」に寄り添うAIレコメンドは、これからのECにおける強力な武器になります。店舗のスタッフが接客するような「言語化しにくいお客さまのニーズ」を拾い上げる仕組みが、新たな商品との出会いを生み出しました。

事例③:総合物販における「F2転換(リピート)」の壁を破る
最後の事例は、ECサイトではなく、メールの中に挿入していたレコメンドロジックを見直し、リピート購入(F2転換)を改善したケースです。
業種:総合物販ECサイト
課題: 似た商品を勧めるだけでは、購入後のユーザーに響かず再購入につながらない
このサイトでは、過去の購入履歴をもとに「すでに買った商品と類似度の高い商品」をメールでレコメンドしていましたが、すでに目的を果たしているお客さまには響かず、なかなか次の購入に結び付いていませんでした。
対策: 「購入したアイテムの次に購入されやすいアイテム」のロジックに変更
類似商品ではなく、過去の膨大な購買データに基づき「次に購入しやすい商品」を提示するロジックへ変更しました。これにより、例えばシューズを買った方には別のシューズを勧めるのではなく、「シューケア用品」や「インソール」といった関連度の高いアイテムが提案されるようになりました。
メール内レコメンドからのCVRが、12.0%から15.1%へ向上※2
購入直後のユーザーにとって「今、本当に必要なクロスセル提案」ができるようになり、結果としてF2転換率が大きく底上げされました。※2023年11月と2024年11月のメール経由CVR平均を比較
【ここがポイント】
ユーザーの購買後の心理状態を正確に捉えることで、「確かにこれも必要だ」という納得感が生まれやすい商品をレコメンドできるようになりました。従来の類似商品レコメンドは「発見促進型(近いテイストの新たな商品を勧める)」ですが、購入直後のお客さまに対しては「補完提案型(次に必要になるものを勧める)」のロジックを適用するほうが、このECサイトではメール経由のCVR向上に直結する結果になりました。
ECサイトのレコメンドは、定期的な見直しが必須
レコメンドは「ツールを入れて終わり」ではありません。
データと仮説に基づき、UI(見た目)を改善するだけでなく、裏側で動いている「ロジック」を商材やフェーズに合わせて磨き続けることが重要です。自社のレコメンド枠が、単なる「商品の陳列」になっていないか、今一度見直してみてはいかがでしょうか?
とはいえ、「自社の商材や顧客層には、どのロジックが最適なのか?」「現状のレコメンドがなぜ頭打ちになっているのか、原因がわからない」と迷われるECのご担当者様も多いかと思います。
DGBTは、2010年からEC向けレコメンドサービスを提供し、これまで500サイトを超える導入・改善を支援してきました。あらゆる商材やフェーズにおける成功パターン・失敗パターンを知り尽くした専門家が、貴社の実際のサイトを拝見しながら、売上アップにつながる「次の一手」を直接アドバイスいたします。
「とりあえず表示」から脱却し、予期せぬ出会いを生み出すレコメンドや、必要なモノを必要なタイミングで提案するようなレコメンドをしたいECご担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。
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