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スタッフだから書ける言葉。ゴールドウインがつくる、レビュー起点の購買サイクル

サイト名:Goldwin Online Store
URLhttps://www.goldwin.co.jp/store/

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株式会社ゴールドウインは、「ザ・ノース・フェイス」「ヘリーハンセン」をはじめとするアウトドア・スポーツブランドを展開する企業です。「Speedo」など10を超えるブランドを抱え、子どもから大人まで、タウンユースからキャンプやスポーツなどのさまざまなシーンまで、幅広い商品レンジを扱う同社では、2020年より「NaviPlusレビュー」を導入。2022年に大規模なレビューの改修を実施し、現在では年間約3万件、多い月には5,000件ものレビューを集めています。

さらに2026年5月には、社員による「スタッフレビュー」施策もスタート。レビューがまだ少ない商品にも、スタッフならではの言葉で魅力を届ける取り組みが始まっています。今回、リテール本部 GOS販売部 企画制作グループ マネージャーの井上 保様に、その舞台裏をお伺いしました。

※掲載している企業情報および記事内容は、取材時点のものです。

レビューの引き継ぎ課題を解決したレビュー機能のリニューアル


――2020年の導入当初は、まずはシンプルにNaviPlusレビューを導入したため、シューズもアパレルも同じ投稿項目でした。2022年にリニューアルされた背景をお聞かせください。

井上様:半年から1年に1回くらいのタイミングで品番が変わってしまうので、それまで集まっていたレビューが引き継げず、非表示になってしまい、大きな課題だと感じていました。

――その課題には、どのように対応されたのでしょうか。

井上様:同じ機能を持つ品番であれば、品番変更のタイミングで新しい品番にレビューを移行できる機能を実装しました。ただ、どの品番なら移行して問題ないかの精査には、今も苦労しています。単純に自動化できる部分ばかりではないですね。

NaviPlusレビュー側で、新品番と旧品番のファイルをアップすればレビューが引き継がれる機能も用意していただいたので、現在はそれを利用しています。

――入力フォームについても改善されたと伺いました。

井上様:以前は自由記述だったので、お客さまの入力の手間が大きく、内容にもばらつきが出ていました。そこで厚生労働省のデータを参照して、年代・身長・体重・足のサイズなどをプルダウンで選べるようにしました。

ECシステムとNaviPlusレビューのAPI連携の開発やレビューの使い方ページの更新など、他社のECサイトも参考にしつつ、改善を進めていきました。

――他にも改善されたこと、苦労されたことはありましたか。

井上様:購買チャネルを横断してレビューを投稿できる仕組みを整備しました。ECサイト以外、たとえば店舗での購入された場合でもレビューが投稿できるようにしたのですが、店舗とECではPOSデータとの間で情報に差異が出ることもあり、購買チャネルごとにフロントのデザインの出し分けなどを設計し直す必要がありました。

また、「すべてのレビューを見る」を押しても、絞り込めないという声もあったため、星評価やサイズ、年代などで絞り込み・並び替えできる機能も追加しています。どの情報を優先的に見せるか、UI/UXの設計に苦労した部分です。

ファイル名商品詳細ページからレビュー一覧へ遷移し、絞り込み機能を追加実装

社員の"リアルな声"を届ける、スタッフレビューという挑戦


――2026年5月に始められたスタッフレビューは、どのような狙いがあったのでしょうか。

井上様:一番の目的は、お客さまにとって参考になる商品情報を届けたいということです。ブランドの人気度に関係なく、商品企画は熱い思いを持って商品をつくっています。その思いや魅力を、担当者自身の声として直接お客さまに届けたい、という考えがスタッフレビューの出発点にあります。

加えて、返品理由を見ると、その多くがサイズ感や素材に関するものでした。購入前にスタッフによるリアルな着用感を伝えられれば、お客さまの不安を減らせるのではとも考えました。スタッフレビューは、同じ商品ページで表示している(画像による)コーディネート提案の「スタイリング」とは違い、実際に着用・使用したうえでの実感を伝えることを目的にしています。

――新商品にとっても効果が期待できそうですね。

井上様:はい。ユーザーの方のレビューが集まるまでには時間がかかります。その間をスタッフの声で埋められればと考えています。専門知識を持つスタッフだからこそ書ける言葉があり、その声を見た方が商品に興味を持ち、購入につながっていく。そうした流れをつくれればという狙いがあります。

――スタッフレビューは、どなたが投稿されているのですか。

井上様:スタッフレビューは、店舗スタッフに限らず、Goldwinの社員全体が書けるようにしています。社員にはもともとアウトドアやスポーツに親しんでいる人が多く、商品企画の担当者だけでなく、愛用者ならではの視点で実感を伝えられる社員がたくさんいます。

今の店舗スタッフは、接客や販売だけでなく、InstagramなどSNSの運用や、ブランドが主催する登山などのアウトドアアクティビティへの同行、業務に必要な資格の勉強など、求められることが多岐にわたります。

スタッフレビューは、いきなり全スタッフに投稿を義務付けるのではなく、無理のない範囲でレビューを書くところから始めています。なるべく負担をかけない形で、少しずつ広げていく方針です。社内用の投稿マニュアルや、スタッフレビューをする目的などを全社に配信し、社員が投稿しやすい環境を整えています。ただ、まだ社内で普及を進めている段階ですので、投稿数を増やす工夫などをやっていきたいと考えています。

ファイル名商品詳細ページでは、商品紹介の後、スタッフスタイリング、ユーザーレビュー、スタッフレビューと商品の魅力を伝えるコンテンツが並ぶ

ファンの多さだけではない、投稿数を支える「仕組み」


――年間3万件、月5,000件という投稿数はNaviPlusレビュー導入サイトの中でもかなり多い印象です。

井上様:取り扱いブランドが十数あり、商品カテゴリやユーザー層の幅も広いためファンが多いことは大きいと思います。あとは、NaviPlusレビューのピックアップレビュー(ECサイト側が指定した任意のレビューを上位にピン止め表示する機能)やスタッフレビューなどが参考情報になって、ご投稿いただきやすくなっているのかなと思います。

ピックアップレビューについては、以前は最新の投稿2件しかファーストビューに表示されず、過去の高評価レビューが埋もれてしまっていたので、毎週担当者が新しく投稿されたレビューを全件見て、選んでいます。表示のさせ方については法務室とも協議しながら進めました。大変ではありますが、こういった工夫が大事なのだと感じています。

――現在ECのレビューは、社内でどのように運用されているのでしょうか。

井上様:商品レビュー担当は3名体制です。全件のチェック・承認、社内への配信、改善の検討まで、役割を分担しながら日々対応しています。レビューの声は定期的に社内で共有し、部署を横断して改善を議論する場も設けています。特に評価の低いレビューは、製品やサービス改善のヒントとして重点的に見るようにしています。

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AIと共に描く、これからのEC運用


――今後の展望を教えてください。

井上様:まずレビュー運用の面では、お客さまの投稿の負担や、社内の承認作業の負荷を軽減するために、フリーテキストのレビューの投稿ではAIの活用を検討しています。EC運用全体としては、ロイヤリティプログラムやオンラインとオフラインが融合した「共感型OMO」の強化も進めていきたいと考えています。

――AI活用については、レビュー運用以外の場面でもお考えがあるかと思います。他にもありますか?

井上様:一部の業務ではすでに使い始めていますが、「AIを使って何をやるのか、何をやっちゃいけないのか」を、まず社内でしっかり議論し、合意形成することが必要だと思っています。単純な効率化だけで進めてはいけないと感じています。

というのも、ゴールドウインのブランドのコアには「アウトドア」や「スポーツ」といった、リアルな世界があります。過酷な現地に行って汗を流して撮影したリアルな写真・映像だからこそ価値があるのではないか、という葛藤もあります。

実際、社内でもいくつかAIプロジェクトは動き始めていますが、まだ手探りの状態です。ブランド側やクリエイティブチームと一つひとつ確認しながら、私たちらしいAIとの向き合い方を見つけていきたいと考えています。


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